オープン直前、どうしても伝えたい
KPBの楽しみ方、使い方
これからの公園の可能性についてさまざまなゲストと議論していく「KPBライブトーク」。2021年3月27日の『KAKAMIGAHARA PARK BRIDGE(KPB)』オープンに向けて、建設現場から9回にわたって配信しています。最後となる第9回は、建築・イベント・運営の各方面で準備を進めてきた4名のゲストが登場です。これまでの苦労話はもちろん、これからのKPBの姿も見えてきました。
KPB建設工事の最初から完成まで、 一番近くで見続けた現場監督
最初にライブトークを全9回やるって考えた時は「はたして9回も続くんだろうか?」と思いましたけど、気づいてみれば最終回ですね。2回目は雪も降って、ゲストが来られなかったりしました。でもだんだんと配信チームのスキルも上がって、9回を通じていろんな角度から公園の魅力を引き出せたかなと思います。これまでも出演された渡邊さんはどう感じますか?
あっという間でしたね!1回目のライブトークは何月でしたっけ?すごい寒かった記憶はありますけど、あっという間に3月ですもんね。
そうですね。そもそも今日(2021年3月24日)は、オープンまで残り3日なんです。そんな緊急事態的なスケジュールでお送りしてます。
早速、ゲストをお呼びしましょうか。今日はKPBのプレオープンイベントもあったので、今話している間も関係者が準備をしまくっています。ゲストの方にはその作業を中断してもらってこのライブトークに参加してもらいます。
では、1人目のゲスト!
現場を担当しています。井端啓輔と申します。よろしくお願いいたします。
井端さんがKPBの建物の変化と日々向き合いながら、育っていく様子を一番見てきたと思います。実際、建物が完成してどうでしたか?
まだちょっと工事が終わってないので…。日々緊張しているんですけど…。
(笑)
長縄さんもおっしゃられましたけど、最初から最後までKPBの建物を見たのはこの世の中で僕しかいない。一番通わせてもらったと思います。これからは運営の子が一番通うんでしょうけど、今のところは暫定1位ですね。
建築って何もないところから始まるじゃないですか。進めて行くうえで、ここが一番大変だったところはありますか?
毎日大変なことの連続で『本当にできるかな』と思ったんですけど、本当に職人さんの力を見せていただきました。特に飛騨五木は大工さんがいるので、大工さんの力を見せてもらったなという建物になっています。
僕が素人目にも衝撃的だったことが、職人さん方が大変そうな工事をこなしていて、皆さん大変そうだけど明るかったんですよ。
明るさもありますけど、夜一緒にごはんを食べてる時は全然しゃべらないです。
それはなぜですか?(笑)
現場では話すけど、プライベートでは話さない。男って「同じ目標に向かって集まる」みたいなところあるじゃないですか。女の人みたいに理由がなくても集まることはないので。理由があるから話すみたいな感じで。仲は良いですけどね。
ほんとにうちの大工さんめちゃくちゃカッコ良いんですよ。ひょうひょうとしているんですけど、すごい技術を持っていて『いいよ、やっとくよ』みたいな感じで引き受けてくれるんです。
多くの方が高山市から来られていて、仕事してその日に帰っているんですもんね。
逆に大工さんから見て、この施設ってどう思われているんですか?普通の家を建てるのとは違うじゃないですか?
職人さん達のすごいところは、今までやったことのないことを要求されても、いつもの業務のように日々こなすんですね。普通、やったことのない業務を『この日までにやって』って言われたらビビるじゃないですか?そういうこともなくやっていけるのは、底力というか。
技術屋として、僕らが想像したものは形にできるっていうことを教えられましたね。僕なんかは『こうやったらどう?』って言うだけで、まともに釘1本打てないんですけど、『想像をしっかり具現化できる職人さんってすごいな』って、日々思わせてくれますよね。
大工さん以外にも、見えないところで電気屋さんだったり外構屋さんだったり、すべての人たちの苦労の結晶で完成間近までこぎつけられました。収まってしまうと『こんなもんかな』って思いますけど、 釘1本、ボルト1つそれぞれに打ち込んで作った人が大勢いるということを考えながら施設を使ってほしいなと思います。
良いお話聞いちゃったな~。でも、日々建物と向き合ってくださってるからこそ言っていただいたときに沁みるものがありますよね。個人的にお聞きしたいことなんですが、ライブトーク第7回の建築トークで登場した一級建築士の井端菜美さんとはご夫婦なんですよね。妻が設計で、夫が現場監督。ある意味KPBは2人の子供のようだなと思うんですが、家で『進捗はどうなの?』みたいな会話はあるんですか?
ありますね。普通に。
そりゃそうなりますよね。
でも、設計士と現場監督ってまったく違う職業で、サッカーと野球ぐらい違うんです。他ジャンルで話しているような感覚になるので、それでどうっていうこともないですね。長縄さんがおっしゃった『自分が作った建物は子供のようだ』というのはその通りで、図面を見たときにこうだったなと写真を見るように思い出します。KPBはなかでも強烈に印象に残った現場でしたね。
加えて僕は、特殊建築物(不特定多数の人が使う建物)を担当した経験がなかったんです。普通はお施主さんがいて、自分がいて、『こういう使い方どうですか?』と聞きながら建てていきます。でも、 KPBはお客さんが未来にいるので、想像するしかないですよね。『使い方が正しいのか?』『喜んでもらえるのか?』っていうのは答えがあるようだけども、そこは考えるしかない。そういうことに挑戦させていただけたことは「技術屋冥利に尽きる」、そういった物件だったと思います。
その通りでKPBのコンセプトや使い方から、どんなテナントを入れるか、どういう商売をするかも含めて、ゼロから作っているんですね。飛騨五木は木材を切り出してから建築まで、同じ会社の人にバトンをつないで行けばゴールできる頼もしさがあるんです。
半面、無理なことも頼めてしまう甘えもある。でも、それがお客さんにとって「見たこともないサービス」だったり、「見たことのない建物」になると思うんです。そういう意味で、建物の完成までチーム一丸となってやってこれたというのは良い経験だったなと思います。
今日のプレオープンで、初めてKPBに触れる人の表情や子供達が遊ぶ姿を見て、どんな思いで見てましたか?
実際に遊んでもらうことが一番嬉しいんですけど、裏腹にですね、僕はこの建物にいくらお金がかかっているかわかっているんですよ。お金をかけて作った遊具とお値打ちに作った遊具のそれぞれで子供たちが遊んでいるのを見比べてみると、同じくらい楽しめるのか~って感じますね。価値とは何か考えさせられます。お金をかけたことが、必ずしも子供達にとって響くものになるのかは別の問題なんですね。
逆を言えば、お金をかけなくてもアイデア次第で創造性のある施設になっていくんじゃないかとも思います。建物は今の状態が完成形じゃないと思ってるので、みなさんに喜んでもらえるようなアイデアをさらに考えて、それを僕たちが形にして更新していきたいと思います。
僕的にはグッとくる言葉をいっぱいいただきましたよ!
啓輔さんとは同じグループ会社ですけど、あまりお会いしないし会社の人間って業務連絡ばかりで仕事に対する考え方とかは話さないんですよ。だからそれぞれが何を考えて働いているのか知らなくて。井端菜美さん(第7回登壇者)の話を聞いて気づきもあったし、ライブトークを見た社内の人間が感動したりするんですよね。
本当に井端さんみたいな方がね、実はオープンするまでずっとKPBを見て来て、建物を作り上げたんだよってことを頭の片隅に置いていただきたいなと思います。それでは、次のゲストお呼びしましょう。
胃が痛くなることもあったライブトークの裏側
飛騨五木株式会社の森内湧也です。よろしくお願いいたします。
森内君に関してはね。この画面の向こう側で動画を担当してくれています。
すべてのトラブルの責任者ですね(笑)。
これまでライブトークを9回やりましたけど、そもそも私たちはこういうイベントをやる会社ではないので、ライブトークに必要な機材を調べてネットで揃えるところから始めたんです。今は窓もあって電気が来る屋内ですけど、ライブトーク1回目は工事予定地の更地でやりましたよね。
やっぱりね、雪が降る工事予定地でポケットwi-fi 1つでやった配信。あれが一番過酷だったんじゃないですかね。そこからどんどんと手応えを掴んできましたよね。
森内君はこれから3年目になるという時に突然、この施設に送り込まれて。半年間経験のないことばかりでしたけど、しっかり準備してくれました。どんな感想なのか気になりますね!
ライブトークは長縄さんはじめ面白い方に関わっていただけたので、その方の想いを広めていく場所にしたいなと思ってやっていました。やったことがないことだったので、当初は胃が痛くなったこともありましたね。全9回を通して、トラブルは必ず起きるんですけど、ちょっと図太くなれたかなと思います。新しいことに挑戦できるような機会があって良かったです。
初めて森内君とお会いした時から比べて明らかに成長しましたよ。
なんか大人になりましたよね。
ライブトークに関してはいろんなジャンルの面白い方が来て、ずっと身近で話を聞いていたわけじゃないですか。どうですか、印象に残ってる回はありますか?
そうですね、5回目あたりで暮らし委員会さんからカメラをお借りして、配信の絵が良くなったんです。渡邊さんとぎふメディアコスモスの吉成さんが出演していただいた5回目は、唯一カメラ2台でできたんです。天井を映したり、寄りの絵が撮れたりして、1本の動画として面白いなと思うので、もちろん9回すべて見てほしいんですけど、特に5回目が印象に残っていますね。
実のところ第5回は再生回数も一番です! 森内君はもちろん動画の人じゃないから、KPB全体に関して、いろんなことに関わったじゃないですか。3日後にオープンするということで、『これは新しいんじゃないか?』『面白いんじゃないか?』というところを教えてください。
KPBはただの屋内施設として遊ぶだけではなくて、隣接する「学びの森」と「市民公園」でも遊んでもらいたいと考えているんです。公園が隣にあるのに、屋内だけで遊ぶのはもったいないよねということでレンタルグッズを貸し出しています。以前もライブトークで話していますけど、レンタルの手続きをLINEでやるんですね。外の公園でくつろげるグッズや風が吹いていてもできる強いバトミントンがあります!
ただのバドミントンじゃございません!風の日でも遊んでいただけます!LINEで借りられるというのも独自開発なので、初めは戸惑うかもしれないんですけど、絶対に便利だと自信を持ってお送りします。
アプリの開発秘話で1本動画ができるくらいのボリュームがありそうですね!来ていただく方は、すべてLINEのアプリで完結するんですか?
もちろんLINEを使っていない方のために書面での手続きもできますよ。基本的には、LINEで注意事項を了承していただいて会員登録すると、公園でお使いいただけるレンタルグッズが楽しめるシステムになっています。
レンタルグッズもめちゃくちゃこだわりがあって。入場料だけで借りられるので、レンタルに対する費用は発生しないんです。でも『安っぽいものにしたくない』と考えているので、ご自宅では買わないようなものをあえて選んでます。
ペダルのないトレーニングバイクもあるので、自転車の練習で来ても良いですし、カップルでも良いし。『KPBのチャリで練習して乗れるようになったね!』という人生の一部になれれば良いなと考えたグッズなんです。ただ数が少ないので、申し訳ないんですけど朝早く来てください!早い者順です。
たくさんの方に使っていただければ、追加で用意できると思いますので、ぜひアプリとグッズは要チェックですね。レンタルの仕組みも『屋内の遊び場です!』ってなると『子供が行くところでしょう?』というイメージが強いかなと思いますけど、レンタル料っていう概念で来てもらえれば、コストパフォーマンスも良いですよね。それでは森内君ありがとうございました。
遊具とワークショップの静かなる戦い
過去2回ですかね?輪之内の回(第3回)とアートの回(第4回)でMCをしていました小野です。
ここまでライブトークや建物の完成も含めて準備してきて、小野さん的にはどうですか?
そうですね。個人的には建物が出来上がったことに対してあまり思い入れはなくて。
え???
お2人はご存じだと思いますけど、僕にとっては「この後のイベントをどう充実させていくか」の方が大事なんですね。今日やったワークショップも僕らにとってはプレなんですよ。建物ができて運営が始まってからがスタートだなっていうところがあるんです。だから建物が出来上がることも、すごく大事なことなんだけど、僕の場合はここからがスタートだなと感じてます。
そうですね。
特にどう使って、維持していくかがすごい大事だなと思っています。過去に僕が立ち上げをした1つに、ホテルのリニューアルがあったんですね。その時もリニューアル自体はできるんですよ。その後にホテルをどう運営していくかの方がずっと大変なんです。
あの時は完成後に運営する立場だったので覚えていることがあるんです。そのプロジェクトでは、大工さんが九州から来てたんですよ。施工が終わって、建物が建った時点でその人たちは料亭でガンガン酒飲んで帰っちゃったんですね。
打ち上げみたいな。
そうそう、打ち上げして『あとはよろしく~』みたいな感じで帰っちゃって。僕はそこでホテルのマネージャーという立場だったんですよ。お客様はまだ、誰一人お迎えしてないわけですよ。その状態で、お客さんを迎えたら恐ろしく大変だったんですね。
そんな経験をしたので、KPBがもっと面白い施設になってほしいなっていう思いがあるし。僕からするとその過去の経験はすごい苦い思い出なんです。あの時に、『もっとやりたかった』っていう思いだったり、スタッフに申し訳ないなと思っていて。
だから 『オープンしてから、どうやってKPBが良くなっていくのかな?』ってプロジェクトに関わる時からずっと思ってたんです。なのでさっきの啓輔さんの話はすごい大事な話なんです。人と空気しかない場所から建物を作り上げていくこともすごく難しいし、大変だし、面白いこと。だから僕はそこにエネルギーを注力したい気持ちが強いですね。
わかります!
今の小野さんの話で動画1本行けるね。初めから飛騨五木さんとの企画の中で、“作る”と“使う”を最初からすり合わせているので、小野さんのトラウマがもう1回来ることはないと思うんですけど。それでもやっぱり作る視点と使う視点はどうしても違いますよね。
そうですね。使っていく時の変化って予測がしづらいことが多いんですね。想定していたのに違ったということが日々起こってくるんです。その時にどういうふうに捉えて対処し、対策するのかということを日々スタッフさんがやっていくことになるので。それは、僕がここで企画している「ART LABO」(アートスクール)も一緒で、蓋を開けてみないとわからない。なので僕はそっちに注力したいなと思ってますね。
小野さんの活動の柱になるART LABO。今日のプレオープンでワークショップをやってみて感じた、面白さ・可能性・新しさの部分をお話しいただけたらと思います。
今日やってみて、想定していたことと想定してないことがありまして、良い部分も悪い部分も見えました。想定してたよりも、ワークショップ中に子供は結構ガンガン遊ぶんですね。
そういうとこに対して、僕らの活動は考えて・感じることにフォーカスを当てた内容なんです。それがこの場で成立するのかという点で、行けるなって思う部分と、不安になる部分が両方ありましたね。そこはすごくやってみて面白かった部分でしたね。ワークショップの様子を見ててどうでしたか?
まさに「森のわくわくの庭」(飛騨五木の運営する別施設)でも同じ葛藤があって、うちが ワークショップを仕掛けても遊具や遊び場の方が子供たちにとって刺激が強いので『なんでここでワークショップやらないといけないの?』ってなっちゃうんですよね。なのでART LABOさんは夜の閉館後の開催や時間帯を変えることも検討されてるじゃないですか。そうするとまた状況が変わるのかなと思いました。
そうですね。やっぱり渡邊さんが話されたように遊具の力はものすごく強いんですよ。そこに対して、ワークショップを持ってくることが自分達もしくはお客様にとって正しいのかどうかが、今日の段階でわからなかった。僕らは基本的に閉館後にワークショップをやる予定なんで、その時にどう見えるかしっかり検証しないといけないですね。
やっぱり、遊具の力はすごい!子供は見た瞬間に目の色変えて飛んで行っちゃうんですよ。『こっちで絵の具のやろうよ』って言っても誰も聞かないです。そうなった時にここまで自分たちが考えていたことが、ことごとく遊具の力に変えられてしまうわけです。そうなったらワークショップが正しいのかどうかってなる。僕は今日そのインパクトが大きかったです。
私は遊具も考えてる立場なので、子供が飛びつくようなものを仕掛けにいってるんですよ。だから子供たちが遊具に飛びつくことは正解というか…。
遊具とワークショップの静かな戦いですね。
そうそう!だからある意味矛盾しているというか。
だからさっき僕はかなり真剣に遊具で遊んでたんですね。めっちゃ走ったり、登ったりして、ネットにダイブしたり。ここで遊ぶ子供の気持ちがわかんないと、プログラムを組めないと思ったので、うちの子供を連れてきてめっちゃ息上がるぐらい遊んだんですよ。その時に何か感じるもの、見えるものが若干変わって。だったら子供たちの遊びに何か良い作用をするようなプログラムを組んで行かないと、ここでやる意味はないなと思いましたね。
当初は、遊具にサウンドを絡めさせたかったんですよ。既存の固まってるハード(遊具)に対して、音が乗るとか、光が乗るとか、子供のお父さんと連携させて成り立つようなプログラムを本当はやりたかったんです。つまり、ワークショップとハードを分けて考えるのではなくて、今あるものを違う見え方・使い方にするというプログラムも面白いのかなと思いました。
そうですね。 特にKPBは経年変化が出てくるだろうし、季節や時間帯によって見え方と感じ方が変わってくる場所だと思うんですね。そこにアートの部分でアクションが起こるといい効果が出るんじゃないかなって思ってるんです。
そして、あくまでも僕は20年経った時にどう見えるかを考えながら、プロジェクトを仕掛たいと思っています。というのも僕の子供達があっという間にでかくなるんですよ!10年経てば高校生と中学生なんですね。何かしら大人も真剣に仕掛けて、アクションして、ここで何か良い反応が起きて、それが町に落とし込めると良いなって思ってますね。
イベントの企画はART LABOさんにお願いしています。それをカルチャー教室と言ったらそれまでなんですけど。そうはしたくなくって、私も含め この会社がKPBに関わる意味って、ルールにこだわらないところにあるんです。普通だったらできないことを子供達が体験できる場にしたら面白いと思っているんです。
例えば今日の講座も子供達があんなにハッスルしてくれると思ってなくて、絵の具でぐちゃぐちゃになって汚れてたんですね。あれはKPBの力だなと思うし、子供たちが先生を囲んで粘土を積み上げてたじゃないですか。あれもちょっと異様な空気だったのわかります?その空気感がKPBの力だと思って、それが想定外の面白いとこでしたね。
そうそう!修行みたいになってましたね。
逆に言うと、オーソドックスなことやってもここだったらあまり面白くないなと思いましたね。
変なことやっても逆に普通というのがこの施設の良いところです。なんかね、恥ずかしさがないというか。
先ほどの啓輔さんや渡邊さんの話にもあったんですけど、 KPBでやろうとしていることって今までにないことだと思うんですよ。それが空気に出ているところがすごく面白かったですね。
今日来てくださったお父さんお母さん達って普段、毎日子育てされていて怒ることもいろいろあるんでしょうけど、なんとなくこの施設ってラフになるんでしょうね。ここで怒るよりも笑って許したほうが良いんだろうなという感じがなんとなくするんですよね。
それ僕も感じたんですよ。お父さんもお母さんも顔の表情がなんかここなら良いかというような感じで。この先もここにしかない空気というか時間というか、そういうものをアートとしてつなげていける施設にしていきたいなと思っています。
はい。オープン3日前にオープン以降の話をたっぷりしましたね。まあオープンって1つのゴールではありますけど、それ以上にスタートなんですね。ここから暮らし委員会でもART LABOでも一緒に盛り上げていけたらと思います。
なんとなく来年の今日どうなってんのかなというのは気になりますね。
1周年記念でまたライブトークやりましょう!
いきなりすごいパスをぶっこみましたね(笑)。
毎年ライブトークをやって、結局どうなったんだKPBみたいな感じで。社内のカレンダーに入れておいてください!
オープンして1年経ったら、めちゃくちゃいろんなことあるので、それを振り返るのはすごく良いと思います。
そうですね。小野さんありがとうございました。
KPBに来たら自然と友達増えるかも?
鈴木さんは飛騨五木の社員さんとして、これから一番長くKPBに関わると思うんですけど、これまで準備してきて今はどんな気持ちですか?
改めて1年半前に企画が始まり長縄さんが声をかけてくださってから、職人さんがたくさん入って、啓輔さんが現場監督として仕切ってくださって…。『あぁ、もう震えが止まらん』という感じです。
KPBの担当になって、いつの間にか引っ越しすることになり、各務原市民になっちゃってたりね。
そうですね。楽しみだなという気持ちが強いです。嬉しいですね。ワクワクしてます。
ここまでの準備で、どれも思い入れというか熱量があるとは思うんですけど、そのなかでも私はこれがお気に入りとか、ここはぜひ楽しんでもらいたいとかありますか?
たくさんありますよね。難しいですよね~。
今日も取材で聞かれるんですよ。『どこを一番見てほしいですか』とか、『一言でいうと?』みたいなことが。でもこれだけいろいろやってると一言じゃ語れないんですよね。
最初は「park door2021](3月27日のオープニングイベント)がありますので、そちらを楽しんでいただけたらなと思います。もちろん一般のお客様に来ていただく初日になるので、遊具やレンタル品やテナントさんも楽しんでいただきたいです。オープニングイベントは春のKPBを拠点とした新しいイベントということで暮らし委員会さんをはじめいろんな方に協力していただいて、たくさんの企画が集まった大事なイベントだなって思っています。なのでやっぱり見所だなぁと感じています。コンテンツが多いですね。
なかなかないスタートの切り方だと思いますよ。情報の渋滞が起こってる。
わけのわからない施設になってますね。
ただの遊び場とは言い切れないんですよね。今日も『なんていう施設なんですか?』って取材されて。
取材を終えて帰られた後に記者さんが『この施設ってなんて紹介すればいいですか?商業施設ですか?公園ですか?広場ですか?』って電話で聞いてくださったんですね。結局「ファミリー施設」という謎の単語を作ってお伝えしました(笑)。ほんとに正直、飛騨五木の社員だけで準備しようと思ったら絶対にイベントに手が回らなかったと思っていて、暮らし委員会さんはじめ、そこからつながったみなさんがいろいろやってくださったので、そこはすごく感動しました。
そうですね。すごく感動しましたね。
我々は運営会社なのでもっと企画して、もっといろいろ考えないといけないんでしょうけど、基本的には提案していただいた案に対して、『そうなんですね、良いですね!』みたいな感じで。
そこはやっぱり適材適所というか、1人でやるからできることもあるし。1人でやるからこそできないこともあると思うので。最近いろんなところで「速く行くなら1人で行け、遠くへ行くならみんなで行け」って言われるんですよ。今の時代それぞれのポジショニングで進めていって、お互いが理解して、認め合えないとできないですよ。これも飛騨五木っていう柔軟とスピードとエネルギーがあったからこそ出来たことだと思うんですよ。
他の企業さんとお話しさせてもらったこともありますけど理解もしてもらえないし、その人が理解できるところまで噛み砕いて行くと、すげー普通のものになっちゃうし。これはやっぱりね、飛騨五木っていう会社ありきだったから『これ良いですか?』って提案できたし『良いですね!』って言ってくれるじゃないですか?だから我々も『えっ?良いの!?』みたいな感じで。
そうですね。基本的に前向きですよね。ストッパーがない感じがありますよね。自分の会社でありながらも驚きますね。
そうですね。こうして話していると、あっという間にエンディングみたいなんですけど。
えっ!本当に?もっとしゃべりたい!
何回も言いますけど、オープン3日前の感じではないですよ。新しいプロジェクト始めるかぐらいの熱量ですよね。これまで話してきて、今後鈴木さんはKPBをこんなふうにしていけたら良いなぁみたいな、オープンしてからの話をちょっとしていただけたらなと思います。
そうですね。さっき小野さんがお話ししていた 「ここにいるからできてしまう雰囲気」はなんとなくわかるなって思います。近くで遊んでた子供たちが仲良くなっちゃうとか、勝手に友達が増えてるとか、そういう感覚なんじゃないですかね。
大人の方にとってもそういう感覚を掴んでもらえる場所だと良いなと思ってます。それは何か知らない人と友達になるとかではなくて、こんなことやりたいって思いついたり、KPBをきっかけに自分が挑戦したいことに挑戦したり、『コミュニティ作っちゃお!』みたいな、そういうハブであれば良いなと思いますね。
めっちゃ良いですね!まさにパークブリッジと!いうことですね! KPBは本当にいろんな面白い仕掛け・面白い場所で可能性がすごくあると思います。 僕が大事にしてることって何かというと、「楽しみ方のレールを引かれない」ことなんですよ。世の中の仕組みの多くが「これに乗ったらここに到着する」って定められている。
でもKPBならば、今日は天気が良いから、エスプリさんでパン買って、芝生で食べようかとか、今日は夜涼しいし気持ち良さそうだから、はしもとバーガーでハンバーガー買って食べようかなとか、ちょっとお酒も飲んじゃうとか。今日は雨だから、KPBのテラスで外を見ながらゆっくりアジャーラーさんの野菜カレー食べようっていう楽しみ方の選択肢があります。
もちろんお子さんの遊び方もそうだし、大人もそうだし、いろんなのが混ざっていて、そこにいろんな選択肢があるような日常。一緒に行く相手が変わることによって、服を着替えるみたいに日々の暮らしを着こなすように楽しんでもらえるようなハブ。きっかけになればなと僕は思ってます。ということで最後、渡邊さんお願いします。
施設がオープンするとき、お客さんに楽しんでもらいたいって言うべきなんでしょうけど、それももちろんすごい大事ですけど。普段、東京から遠隔で働いている私が思うのは、やっぱり現場で準備してきた人たちに一番楽しんでいただきたい。特にうちの社員の子達は若いので、将来何歳になってもあの時この物件をやったと誇りに思ってくれたらいいなって思っているんです。
今日も社員の子達がほとんど来て手伝ってくれたんです。KPBに来てないスタッフだったり他店舗の子やパートさん含めKPBを建てるために少なからずいろんな影響があったんです。シフトが足らないとか些細なことですけど、『新しい建物ワクワクするね!』って、嫌な顔せず仕事帰りに寄ってくれて、拭き掃除して帰ってくれたりして、一連の準備のひとコマごとが私たちの今年の思い出なんですよ。
それで良いと思ってて、来年もまた面白いイベントやれたら仕事だからどうこうじゃなくって、私達の人生の思い出になると思うんですよ。だって、 ここにいる人達って仕事でKPBやってないじゃないですか?趣味兼仕事みたいな感じですよね?だったらここに関わる人が最高の思い出を作っていただきたい。ですので、ぜひみなさんもお子さんを連れて来ていただいて良いですし。
めちゃくちゃついででしたね(笑)。
でも、ほんとそう思ってますよ!仕事で関わった人や、ここに携わった人にすごい楽しかったなと思っていただければ、そこにお客さんは感動してもらえると思うので、まずは関わる人が楽しく働いてくれたら良いなと思ってます。
ありがとうございます。いよいよ3月27日のオープンは3日後ですね。KPBオープンします。お話しがあったように実際ここは物理的に公園と公園をつなぐ意味のパークブリッジという部分もそうですけど、この場所が“公園と人” “公園と暮らし” “公園とコト”そして“人と人”とをつないでいく場所になっていけたら良いかなと思いますし、それにはまずKPBに関わるみんながなるべく楽しく仕事してね。
楽しくないとね、続いていかないですから。
それがちゃんと相手につながっていくような施設をこれから創っていけたらと思います。まずは一度、来ていただきたいですし、どんどん使い方・面白さはアップデートしていきますので、これからもKPBに期待していただけたらなと思います。それではありがとうございました!また来年よろしくお願いします !
第8回